さとえブログ

ノンフィクション/エモい/現代っ子哲学

旅行の時に福岡で出会って東京で再会した女の子

2020年10月

 

福岡に旅行に来ていた。

熊本に実家がある仲の良い女の子が、旅費全額出してくれると言うので行った。

 

しかし、一日目の夜にその女の子と喧嘩をしてしまい、女の子は二日目の朝に実家に帰ってしまった(その子とはそれ以来音信不通)。一泊二日だったため、二日目が暇になった俺は、ナンパをしようと決心した。福岡は美人でいい子が多いとの情報があり、その真偽を確かめたかった。

 

まず、警固公園周りで声をかける。

 

美容院帰りの学生、歌手志望の女の子。確かに、反応がいい。全員話を聞いてくれ、半分は連絡先まで交換してくれる。半分話を聞いてくれるかどうかの東京とは全然違う。

 

俺は嘘をついて声をかけた。旅行で来ているのに、わざと出張中の体で入れるカフェを探しているのですが、という感じに。地方ではチャラいナンパはNGの予感がしていたため。ステルス気味で声をかけ続けていた。

 

そんな中。

 

色々な場所で試したかったため、天神地下街へ行く。

 

椅子に座って休んでいる、おでこを出したロングの髪型のアナウンサー系の美女を発見。すかさず話しかける。

 

「あの、今出張中で福岡に来ているんですけど、ここの近くにおすすめのカフェってありますか?」

『いや、私も福岡あまり来ないので分からないです笑』

「そうなんですね!どっから来たんですか?」

『出身が大分で、今も大分に住んでるんです』

 

そんな感じで話が進み、相手は大分出身、大学が東京で、東京の旅行系の会社に就職したもののコロナの影響で仕事がなくなり、現在は大分の実家で暮らしているということが分かった。

 

「そういえば、こんなところで黄昏て、今何しているんですか?笑」

『今から彼氏と会うところなんですよ』

「そうなんですね!じゃあ楽しんでください。俺はカフェ探してきます」

 

と、最後に連絡先だけ聞いてその場では別れを告げた。

 

二週間後に、「もう東京帰ってきた?」とLINEを入れるも、無事未読スルー。

 

 

2021年1月

 

新年が始まり、なんとなく過ごしていた。実家に帰省したり、本厄だというので、代々木八幡宮に厄除に行ったり。

 

天神地下街でLINEを交換したあの子のことなんてすっかり忘れていた。女遊びも控えめにしていたし、他の女の子とLINEを全くしないということもなかったから。

 

ふと、LINEを開くと誕生日の友だちという欄に天神地下街でLINEを交換した子が表示されていた。これはチャンス!美人とはやはり繋がっていたいので、逃さずに「誕生日おめでとう!」の一言。ダメで元々。

 

すると

 

『ありがとうございます!』の返信。

 

胸が高鳴る。

 

東京に来ないのか尋ねると、しばらくは大分にいるとのこと。感触は悪くないと判断し、東京に来た際は連絡するよう伝える。

 

 

2021年3月

 

21時頃。友人と渋谷のシーシャに来ていた。クラブに行く前の会議、近況報告。シーシャを嗜んで、お酒を飲んで、タバコを吸って。ピンと来る子は現れず、友人と女遊びをしていた。

 

ふと携帯が鳴る。LINEの通知。二度見した。あの子からだった。

 

『そういえば来月から東京で勤務することになったので、3月末に東京帰ります!一応報告しました笑』

 

律儀すぎる。

 

慎重に言葉を選んで返信しつつ、仕事が始まる前の、3月末に無事会う約束を取り付けた。

 

 

2021年3月某日13時

 

約束当日。自分の家の最寄駅で待ち合わせる。最近そこそこ有名な街に引っ越してきたため、デート場所として使うことができる。最終目的地はもちろん家。1ヶ月も住んでいると多少は見慣れているため安心感がある。

 

改札を出たところで待っていると、彼女は時間通りに現れた。

 

グレーのコート。ロングの茶髪。二重。どう見ても美人だった。ただ、俺もこの程度ですくむ男ではないので、一切外見には触れずに歩き始める。

 

「お腹空いてる?」

『めっちゃ空いてる!』

 

最近見つけた美味しいお洒落なスパイス系のラーメン屋さんに行こうとするが、彼女が辛いものが苦手だというので、別のカフェに行こうとする。

 

しかし、満席な上に待ち時間が半端ない。

 

出鼻早々挫かれる。やばい。

 

カフェを諦め、平常を装って適当に見つけたベトナムフォーの店に入る。意外にも、この店が良かった。

 

◆1軒目 フォーの店

 

お洒落なのに誰一人としていない店内。迷わずカップルシートを選択して隣り合わせに座る。

 

お互いマスクを外す。懸念点である顔の下半分はどうか。

 

高い鼻。綺麗なEライン。整った歯並び。

 

心の中でガッツポーズ。彼女の反応的に、自分の顔の印象も悪くはなさそう。

 

二人ともフォーを注文し、話し始める。

 

この街に来るのは何回目かとか、パクチーは苦手でもフォーは食べられるのかとか、いつもどういった系統の洋服を着るのかとか。

 

彼女が東京に住んでいた頃の、学生時代の話になる。

 

「そういえば、東京の大学って言ってたけど、大学どの辺だったの?」

四ツ谷です!』

 

ピンと来る。

 

「上○?」

『そうです!』

「まじか、俺の父親も上○卒なんだよね笑」

『ということは、私は後輩ってことになりますね笑』

 

まさかの、高学歴だった。すると、トーク内容は割と絞られる。学生時代のレポートの話、学校はサボってたよね?の決めつけトーク、家から大学が近すぎると逆に行けなくなるよねって話。彼女は、寮に住んでいて門限も厳しかったそう。外泊する際も外泊届けを提出しなくてはならず、外泊先の相手の署名と捺印が必要という話は笑ってしまった。

 

そういえば。

 

「会った時そういえば彼氏いたよね?笑、もう別れたの?」

『あ、やっぱり覚えてますよね。もう別れてて、実はあの頃から仲良くなかったんですよ』

 

出た。彼氏持ちの女は大体こう言う。自分が軽いと思われたくないから。

真偽を探るために深掘りする。

 

「なんで仲良くなかったの?」

『彼氏が女関係にだらしなくて...』

 

聞くと、遠距離恋愛になって、女友達と複数人で旅行したことを隠したり、彼女が誕生日にもかかわらず同じ名前の別の女の子と食事に行っていたり、他にも色々と不信感しか抱かなかったらしい。

 

「でも別れた時は悲しくなかった?」

『いや全然!いつか別れないとなと思ってたので』

 

4年間付き合って別れたらしい。しかも別れた後はLINEをブロック済みとのこと。

 

「血液型B型で、お兄ちゃんいるでしょ?」

『すごい!私あまり当てられないのに何で分かるの?』

「占い師だから笑」

 

舐めないで欲しい。

 

話が盛り上がったところで退店。まだ話し足りないと言う印象を抱かせるために。

 

1軒目で、彼女がバイオリンを長い間やっていたということや、ピアノを齧っていたことを聞き出していたため、それを建前にカラオケに行く。伏線回収。

 

◆2軒目 カラオケ

 

驚いたことに、VIPシートに通された。他が満室だからということだが、デートでのこういうサプライズ的ハプニングは個人的には嬉しい。このテンションの上がり具合が伝染すればいいと思った。

 

 広い部屋の中で、彼女と隣同士に座り一つのデンモクを一緒に操作する。

まず、無難に愛のかたまりを歌う。

 

『聞いてみたらこの曲聞いたことあったかも笑』

 

反応は悪くない。

 

彼女の番。新垣結衣のオレンジ。

 

音楽歴が長い故に、素晴らしい音程。綺麗な見た目とは裏腹に可愛らしい歌声。かわいい。

 

「なんか一緒に歌おうよ」

 

そういって米津玄師×DAOKOの打ち上げ花火をデュエット。YUIのSUMMER SONGをユニゾン。PV中のウォークマンが懐かしいね、そういえばYUIって福岡出身だよね、もうすぐで夏だねなんて言いながらお酒を飲みつつ。

彼女は俺が勧めたソルティドッグ。俺はハイボール

 

1時間で取っていたため、あっという間に退店の時間が差し迫る。彼女はお酒が弱いといい、半分以上を残していた。あくまでもお酒は女の子に言い訳を作らせる道具に過ぎないため、一口でも飲んでくれればそれでいい。

 

会計を済ませ退店する。時刻は15時30分。

カラオケ中に顔が近くなったりして大分距離も縮まった。

 

「向こうに綺麗な通りがあるからそこ行こっか」

『うん!』

 

言葉は間違っていないが、正確には、目的地は綺麗な通りを抜けた先の自宅だった。

 

道中で、少しぶっ込んだトークを仕掛ける。

 

「そういえば、何人くらいと付き合ったことあるの?」

『二人だよ!元彼と長かったからあんまり経験はありません笑』

「じゃあキスした人数は?」

『それも二人!笑』

「ほんと?笑、他の人といい感じになったこととかないの?」

『私付き合わないとキスとかしないから笑』

 

牽制され、内心若干戸惑った。

 

そんな感じで、綺麗な通りに着く。

 

「手貸して」

『うん』

「せっかくだし手繋ぎながら通ろうよ」

『そうだね笑』

 

拒否なし。

 

そしてしれっと。

 

「ここ家だから疲れたし入ろ」

『え、こんな近いの!』

「案内するよ笑」

『じゃあお邪魔させていただきます』

 

◆3軒目 さとえ宅

 

『なんか、めっちゃいい感じに家具があるね笑』

 

それはそうだ。日常で過ごしやすいように、そして誘導しやすいように家具を購入し配置してある。

 

テーブルの前の座椅子ソファに二人で座る。

 

『この照明うちと同じかも!笑』

「そうなの?笑、一応間接照明もあるよ」

 

さりげなく、流れでメイン照明をOFFにして間接照明をON。

 

「立体感出るよね笑」

『確かに笑』

 

二人でテレビを観ながら、彼女の携帯でインスタの美味しいご飯屋さんの画像を見る。

 

一瞬の隙があった。見逃さなかった。

 

腕を引っ張って顔を近づける。少し遠ざけられるも、完全に拒否はしていない。

 

キス。若干受け入れられる。

 

そのまま首から耳にかけて攻めていき、ベッド上で怖いというグダが生じるも安心させてからそのまま交差。

 

事後トーク

 

『私こんなに長い間したことなかった』

 

照れながら彼女が言う。

 

『元彼10秒くらいしか持たなかったから...』

 

一般的に、恋愛関係にある男女が別れる原因は価値観の不一致や浮気、不信感の増大など様々だが、もしかすると夜の営みに関する不満というのも少なくはないのかもしれない。付き合うというのは口約束でしかなくて、両者にはいつでも別れることができる権利がある。今付き合っていても、一秒先はどうなっているか分からない。

 

そして、隙があると美人にはすぐに男が言い寄ってきて、時とタイミングによっては奪われてしまうことがある。

 

彼女から、この後予定があると予め聞いていたので駅まで見送る。

 

改札前。

 

「せっかくだしツーショット撮ろうよ」

『いいよ笑』

 

パシャリ。

 

「じゃあ気をつけて帰ってね!」

『うん、今日はありがとね!』

 

解散後。

 

一通のLINE。

 

『今日は本当に楽しかったです!!ありがとうございました!』

「こちらこそありがとね。ツーショット両方盛れてなかったからまた今度ちゃんと撮ろ笑」

「そうですね!笑」

 

正直、もう会う気はなかった。

 

何故か?自分でも正確には分からないが、出した結論はこうだ。

 

彼女の男経験の少なさ。そこが引っかかった。簡単に進み過ぎた。経験数が少ないが故に知っている知識や遊びが少なく、魅力的に感じなかった。また、仮にでも彼氏と付き合っている間に他のナンパしてきた男とLINEを交換するなんて信頼できない。ナンパに着いてくる女の子は嫌いなはずなのに、ナンパで出会いを求めているという自家撞着。美人でいい子なのに更にそれ以上を求める?美人でいい子で教養がある子?おそらくその上もあるのだろう。諦めない。キリがないように見える行動でも、99.99%失敗でも、成功の糸口があるならばそれを信じて継続するしかない。

 

逆境こそ最大の成功への糸口。

 

だが、今回の出会いで前よりも更に確信したものもある。

 

それは、恋愛関係は交差なしには始まらないということ。今日会う予定があったとしても、次会えるかは分からない。ならば、会っているその最中に可能な限り向こうのことを知り、こちらのことも伝え、最後まで口説き落とそうとすべきである。女の子は着いてこないような言葉を発していても内心とは裏腹なことが多々ある。前のブログでも書いたように、行動以外は全てノイズである。

また、女の子は感情の生き物であるということ。一回未読無視をされても諦めずに頃合いを見計って連絡することで今回は糸を手繰り寄せた。引きの姿勢を見せつつ、都度連絡を入れることはタイミングと感情という観点から見て理に適っている。

 

気付かない内に、自分は世間一般常識から遠く外れた存在になっているように思う。良いのか悪いのかは置いておいて。