さとえブログ

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【正しい街】福岡県考察

2020年、福岡県に2回行った。1回目は人生で初めての福岡で、女の子に案内してもらった。2回目は友達が福岡の実家に帰るというので、付き添い兼小旅行的な感じで。

福岡県に2回行って感じたことを以下にまとめます。

 

 

福岡県は時がゆっくりと流れている

 

福岡県は、全体的に東京と比べてスピードがゆっくりとしていて、落ち着く。例えば、信号機。色が変わる時間が東京よりも明らかに遅い。女の子の話すスピードもゆっくりとしていて、話すと天然系の女の子が多い印象を持った。なぜ福岡県は時の流れがゆっくりとしているのだろうか?

 

その理由は、福岡県の地理的な構造にある。

 

福岡県は、福岡空港から博多まで電車で6分、そしてその博多から福岡随一の繁華街である天神まで電車で6分と、便利な街が密集した構造となっている。そして天神から海までバスですぐ行けてしまうし、離島までもちゃっかりと存在していて、海からフェリーで行けてしまう。有名な神社である太宰府天満宮までは天神から30分。

 

そう、福岡県は超コンパクトな構造になっている。東京だと、羽田空港から新宿に行くだけで既に30分かかってしまう。しかも、東京は新宿、渋谷、銀座、浅草等の遊び場が満遍なく分散しているが、福岡県は遊ぶとしたら天神付近一択みたいな風潮があるのでどうしても天神周辺に人がコンパクトに密集している。

 

コンパクトな構造になっていると、場所から場所への移動時間が少ないので急ぐ必要があまりない。その結果、街はゆっくりとした雰囲気になる。信号機の色が変わる時間が長くても大して気にならないようになる。情報伝達の速度は遅くても問題ないので、県民の話すスピードはゆっくりになる。一方で東京では、丸の内から三軒茶屋三軒茶屋から横浜等の移動がよくあることなので、基本的に急がなければならない。結果的に東京都民はせかせかとした生活を送らざるを得ないことになる。

 

福岡県の自然について

 

先述した通り、福岡県はまず繁華街からすぐ海に行けてしまう。天神から百道浜に行くと、見渡す限り海。ヤシの木に似たような木も叢生していたりしていて、一気に南国に来たような景色になる。その癖に、側には海の上に浮かんだ結婚式場があったり、砂浜の上の一部には歩ける桟橋があったり、空を見ると福岡タワーがあったりと感傷的な要素も欠かさない。

 

昼と夜両方で百道浜に行ったが、二面性があってとても東京にはないような自然だと感じた。昼の百道浜は春風が吹いていた。缶チューハイにストローを刺したものを片手に砂の上の橋を歩いた。見渡す限り広々とした砂浜と、吸い込まれてしまいそうな青空。それより若干濃い青色の海、寄せ返す白い波。開放的だけど静かで落ち着く表の百道浜。夜の百道浜は、秋だった。冬を迎えにかかる肌寒い秋風。別の意味で吸い込まれてしまいそうな曇天気味の空、昏い海。波はもはや見えなかった。結婚式場の明かりと福岡タワーが照らす裏の百道浜。でも、実は百道浜は表裏一体だった。二面性があるからこその百道浜なのだ。強かに波打つ海は、明るい筈なのに、どこか寂しそうな印象を受けた。

 

次に、大濠公園。行った瞬間に新宿御苑明治神宮よりも間違いなく広いと一眼で分かる。天神から電車で5分。ぐるりとランニングコースが一周し、園内には洒落たスタバがあったりする。この公園も百道浜と似ている。開放的な雰囲気。のどか。でも洒落たスタバ。福岡県民は、多分ロマンチストが多くてミーハーなのだと思う。自然の中に、東京への憧憬が見え隠れする。とても愛らしく思えてくる。ランニングコースを走っている人、犬を連れた人。多くの福岡県民は東京に対して憧れを抱いていると思う。しかしそれは幻想であって、幻想は経験を伴わない限り幻想とは気付くことができない。福岡県は福岡県のままでいてほしいが、そのままで傲慢に安定してもらわれると福岡県でなくなってしまう。

 

最後に、室見川。1回目に福岡県に行った時に、女の子に「室見川に行きたい」と言った所、かなり困った反応をされた。どうやら、福岡県民ですら室見川にはあまり行かないらしい。椎名林檎(福岡育ち)が好きだった自分は、正しい街という曲の歌詞に「百道浜も君も室見川もない」というフレーズがあるのを覚えていて、兼ねてから百道浜室見川には人生で一回は行きたいと考えていた。

 

実際に室見川に行くと、素晴らしい景色が広がっていた。桜と思われる木々が生茂る両岸の間を裂くようにして、国道と同じくらいの幅の川が流れている。橋から見下ろすどこまでも続く室見川。満開の季節に行ったらさぞかし綺麗なのだろうと感じた。女の子も昔に来たことはあったが、ここまで綺麗だとは思っていなかったと驚いていた。正しい街は、椎名林檎が上京する際に福岡の恋人に対しての想いを綴った曲であるが、東京で百道浜と君と室見川を失った彼女の福岡への郷愁に共感せざるを得なかった。

 

福岡県の女の子について

 

前提として、東京の女の子は擦れている。これでもかと思うほどに擦れている。おそらく、道を聞いても半数以上は反応すらしてくれないだろう。

 

というよりも、東京という場所が女の子を擦れさせるといった表現の方が正しいかもしれない。地方出身で純粋な子も、東京の遊びを一度知ってしまうとハマってしまうし、擦れる。人は刺激を求めているから。

 

一方で、福岡県の女の子は擦れた子が少ない。東京だけでなく、他の地方と比べても少ない。それは、福岡は男よりも女の方が多い、所謂、女余りの街だからという説があるが、個人的には、街がコンパクトであるが故に遊び場の領域が限られているからだと思う。遊ぶ街自体が擦れていないと遊ぶ女の子たちも当然擦れない。百道浜大濠公園等、街に自然が東京と比べて多い福岡県は、海へ行ったり、公園で飲んだりする機会も増えるため擦れた子が少ないのだろう。

 

しかも、福岡県の女の子は本当に可愛い子が多い。女の子の容姿を10段階で表すとして、東京の平均が5だとすると福岡の平均は6くらいある。可愛い系よりかは綺麗系の子が多い印象を受けた。東京はメイクで盛っている子が多いが、福岡はそもそも顔の造りからして綺麗な子が多い。桃源郷である。

さらに、特筆すべきは方言である。「〇〇しよると?」とか「〇〇っちゃん、〜〜」等、実際に聞けば分かるが、博多弁はとにかく可愛い。これは言葉では表現できない、本能に訴えてくるものがある。まさに鬼に金棒である。

 

2回目に福岡に行った際に警固公園天神地下街でナンパをしたが、9割の子が話を聞いてくれたことにはとても驚いた。東京では半数以上はガン無視を決め込む。そして、東京では1割ほどしか連絡先を交換してくれないが、福岡では約半数が交換してくれた。道を尋ねるフリをしてナンパをするという間接的な手法で声をかけ続けていたが、勝手に目的地まで案内してくれたり、勝手におすすめの飲食店を教えてくれたりしたので、最終的には良心が痛んでナンパを続行することが困難になってしまった。福岡で女遊びを継続できる男はサイコパスに違いない。

 

福岡県のご飯について

 

どこの店に入っても飯が美味い街、福岡。今まで行った都道府県の中で一番ご飯が美味しいと感じたのは新潟県であるが、肩を並べるレベルでご飯が美味しい。豚骨ラーメン、明太子、魚。個々の店で、全てのメニューが完成されている。どこに入っても、その店の突き詰めた料理が味わえる。適当に入った居酒屋でも、適当に頼んだメニューが馬鹿みたいに美味しい。安い。本場の豚骨ラーメンが500円前後の値段で食べられる。本場でない東京だと800円することに矛盾を感じる。

 

大橋の一九ラーメン、原町の味のまんぷく。ここは特に素晴らしかった。福岡では、締めに豚骨ラーメンを食べるのが一般的だそうで、ラーメン屋でラーメン以外のメニューも充実している。一九ラーメンでラーメンのスープに浸して食べたおにぎりと味のまんぷくでのしそチャーハンは忘れられない。最近調べた所、天ぷらのだるまという店が美味しいらしいので次行った時は食べたい。

 

おわりに 

 

福岡県は、本当に素晴らしく、正しい街である。東京で知り合った女の子に福岡出身だと言われるとそれだけで少しドキっとしてしまう。でも、価値を感じたら負けということは重々知っているので、いつも心の内側に留めている。

 

また最近、東京の人で福岡県が好きな人は案外少ない、という説を聞いて耳を疑った。そういう人は、福岡に一回も行かずに勝手に決め付けているに違いない。大馬鹿者である。話の通じない馬鹿は置いておいて、伝わる人にだけ福岡の魅力が伝わればいい。少なくとも自分は福岡推しである。割と本気でいつか福岡に住みたいとも思っている。なんとなく、東京でバグった感性が自然に治癒する気がするから。