さとえブログ

ノンフィクション/エモい/現代っ子哲学

故郷について

さとえ(@satooooo_e)です。

 

自分は田舎の故郷があって本当に良かったと思う。生まれも育ちも都会とかだと内面が真っ黒になってしまう。噴水公園、あずまや、一面を覆う田んぼ、昼に鳴く鳩、夜に鳴く蛙、光化学スモッグ注意報の放送、町に響き渡る夕焼け小焼けのBGM、小6の頃勝手に建設された大型ショッピングモール、平成の大合併......。

 

俺が高2まで住んでいた町は駅が無くて、隣の市にある最寄り駅まで行くのにバスで30分近くかかった。地元の小学生の過ごし方と言えば、放課後に校庭か公園でサッカーや鬼ごっこをしたり、駄菓子屋に溜まって駄弁ったり、公園で水風船をぶつけ合ったりと言った感じであった。小6までは。

 

小6の持久走大会が終わると、一面が田んぼだったはずの場所にショッピングモールが建設された。当初の小学生は最高に歓喜したものだが、同時に田舎が失われるということを理解していなかった。コンビニやスーパーに行くだけでも高級感のある行動だったので、マクドナルド、本屋、ゲーセン、服屋、映画館を揃えたショッピングモールは格好の溜まり場となった。以前溜まっていた駄菓子屋には知らず知らずの内に行かなくなっていた。

 

中学生に上がると、遊び場と言えば完全にショッピングモールとなった。平成の大合併で町は隣の市に吸収された。高校生になるとそもそも小学校中学校の友人と会う時間があまり取れなくなった。中学の卒業式の時、もう二度と会わないのだろうなと思っていた人達とは当たり前に会うことがなく、どうせ会えると思っていた人達ともロクに会えないし、いつの間にか会おうとすらしなくなっていた。

 

結局、故郷というものは心の中にしまっておくものだと思う。都会での戦いというものはひたすらに孤独だし、頂点は常に1つだけだから。