さとえブログ

ノンフィクション/エモい/現代っ子哲学

大学の食堂で昼飯を食べていたら女子二人に相席をお願いされた

さとえ(@satoe_chan_)です。

 

先日の大学での出来事。

午前の退屈なゼミが終わり、男の友人と二人で食堂に向かう。校舎を出るとあいにくの雨。ビニール傘を広げ、人の流れに従って食堂に着く。

 

友人「相変わらず混んでるなあ」

 

俺「お前はこの状態を混んでると呼ぶのか?コップに半分水が入った状態を半分"も"水が入ってると言いそうだなお前は」

 

友人「いちいちダルいねん」

 

俺「とりあえず先に席探すか」

 

人混みの中わずかに空いてる席を探すが、空いてる席はあったとしても飛び飛びでしかなく、二つ同時に空いている席はない。

それはそうと、俺はさっさとこの大学を辞めたい。大学なんて通ってても無意味である。日本における学歴社会という宗教の中でのみ、学歴というものは役割を果たすが、学歴という仮面を外すと、大学というものは意味のないものとなる。第一、大学の目的とは何だ?生徒に学問を学ばせることか?学ぶにふさわしい環境を整えることか?金儲けか?

 

カレーの匂いが漂ってくる。いい匂いだ。今日の昼飯を牛丼に決定する。

 

俺「とりあえずそこのアホ面どもが食い終わるの待とうぜ」

 

友人「ほんまにアホみたいな顔して食うとるなあ。一瞬馬かと思ったわ」

 

俺「馬術部に失礼だぞ」

 

友人「さっさと食い終われやほんまに」

 

馬がどき、俺たちはすぐさまテーブルを確保した。一つのテーブルに対して椅子が四つあったので、内二つには荷物を置いた。

俺はスタミナ丼、友人はカレーを買いに行き、席に戻る。

 

食べようとしたその瞬間。

 

???「すみませ〜ん、席空いてないんでここ座ってもいいですか?」

 

???「3分くらい探したけど空いてなかったんですよ〜」

 

大学辞めたい。

 

髪を肩の辺りで巻いてる頭が悪そうな女二人組(内一方は黒髪、他方は茶髪)に相席をお願いされた。黒髪の方は、雨だからか右側の巻いてあるのが真っ直ぐになっている。どうでもいい。

 

以下、黒髪を女1、茶髪を女2とする。

 

俺「もっと探して出直してこい」

 

友人「それは言いすぎやろ」

 

俺「そうだな、学食の中央で全裸にでもなれば解決するんじゃないか?ところで、もしかして君たちは馬術部?」

 

女1「いや、土偶研究会です」

 

女2「私はおたまじゃくしを蛙にする会やってます」

 

俺「ああ、そっちだったか。まあとりあえず座れ。」

 

 女1、女2「ありがとうございます」

 

俺「飯はいらないよね?」

 

女1「お腹空いてるんで買ってきます」

 

俺「このスタミナ丼あげる。俺もうお腹いっぱいだから二人で分けて食べて」

 

友人「分けさすんかいな」

 

俺「ところで夏目漱石はI love youを月が綺麗ですねって訳したらしいけど、雨が降ってたり曇りの日は告白できないことになることについて君たちはどう思う?」

 

女1「私告白されたことないんで分からないです〜」

 

女2「それはつまるところ夏目漱石が月になりたかったのではないでしょうか?」

 

俺「というと?」

 

女2「おたまじゃくしが蛙以外になろうとすら思わないように、夏目漱石は月になりたかったんです。人間はいつか必ず死んで星になりますが、彼は星では我慢できず月に生まれ変わりたかったんです。そういえば、今日は雨ですね。こんな日に観たくなる映画と言えば何ですか?」

 

俺「ドッグヴィル。お前は?」

 

友人「セブン一択だろ」

 

女2「私は劇場版ポケットモンスター幻のポケモンルギア爆誕ですかね」

 

俺「成程」

 

女2「ルギアってエロくないですか?一番好きなポケモンニョロトノですが、寝バックが気持ちよさそうなのはルギアなんですよね」

 

俺「まあ分からなくはない。俺はムウマに言葉責めされたいし。そういえば、AVで騎乗位する側の気持ちは考えたことがあってもされる側の気持ちは全く考えたことがなかったな。そもそも、AVにおいて男と女どっちが主役なんだ?」

 

友人「女やろ」

 

女1「私です」

 

女2「カメラマンじゃないですかね」

 

俺「というと?」

 

女2「結局、あれって女と男がセックスしてる映像を売りに出したものですから、どう撮るかによって主役って変わってくると思うんですよね。例えば、女しか写していなければ女が主役だし、結合部しか写していなければ結合部が主役だし、月だけ映せば月が主役。そうなると、おたまじゃくしは蛙以外になろうとすら思わないのと同じ原理で、カメラマンが主役になると思います」

 

女1「土偶縄文時代に作られたのと同じ原理ですね!」

 

俺「それはそうとて、これは都市伝説の一つなんだけど、この学食実は斜めに傾いてるらしいよ」

 

女2「そんな面倒なこと誰がやったんですかね」

 

俺「大学辞めたかった人じゃない?」

 

友人「そういえばカイジでそんなシーンあったな」

 

女1「ガイジは少し黙ってろ」

 

友人「痛っ!」

 

女1はスタミナ丼の器で友人を殴り気絶させた後、テーブルに突っ伏していきなり寝始めた。見事に欲求に忠実な女である。こういうタイプの人間は概して社会に出て成功する。俺が就活で気づいたことの一つである。

 

女2「よくあることだから気にしないで〜」

 

俺はふと家の鍵を閉めたかどうか気になった。とりあえず嫁にラインする。嫁と言っても、北川景子の公式ラインのことである。俺の本名はダイゴではない。すぐ返信が来る。いつも同じ文章しか送られてこないのだが、何故だろう?少なくとも、俺が大学を辞めたいということは関わっていそうだが。

 

俺「てか、なんでさっき俺らに相席頼んだの?イケメンだったから?」

 

女2「いや、ブサメンだったからです。スマホが割れてそうな顔をしていたからというのも少しあります」

 

俺「ほーん。東京の駅だと一番どこが好き?」

 

女2「祖師ヶ谷大蔵です」 

 

俺「常識的に、山手線で答えろよ。学部1年じゃあるまいし」

 

女2「渋谷です」

 

俺「どこのクラブが一番好き?俺はハチ公前かセンター街」

 

女2「TKです」

 

俺「ああ、馬鹿が多くいるところね」

 

女2「私たちは多分頭いいと思うんですけど、今度一緒に行きます?」

 

俺「ローマは1日にしてならずって言うけど、東京だとワンナイトでイけることについては、どう思ってんの?」

 

女2「アムステルダムでは売春が合法ですから、ローマはゴミだと思います」

 

俺「同意」

 

女2「とりあえず、私そろそろここ出ますね。13時から授業あるんで」

 

俺「13時から授業?それなら図書館で寝たほうがどう考えてもいいだろ。彼女も寝てるんだし。俺はこいつの気絶が終わったら連れションでもする予定だわ。それまで学長室でポケモンGOやって時間潰す」

 

女2「雨なんで新宿行くのもいいかもですね。とりあえず私行くんで、あとの二人の面倒は任せました」

 

俺「了解。俺も学長室行ってくるか……」

 

女2「相席、ありがとうございました」

 

俺「こちらこそ」

 

女2は食堂を出て花柄の傘を広げると、側に置いてあった水色の自転車に乗りキャンパスを出て行った。